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  • 2018.6.5
  • 経営お役立ち

企業が人手不足になる原因と対策

景気回復に伴い、企業の業績や求人数も上昇を続けています。

そんな中、企業の人手不足の問題が深刻化しています。

今回は企業の人材問題についてのお話です。

人手不足がおこる原因とその対策について考えてみましょう。

景気回復により有効求人倍率がバブル期以来の高水準に

第2次安倍内閣のいわゆるアベノミクスなどの影響により、日本の景気は回復傾向と言われており、それに伴い企業での求人件数も増加しています。

有効求人倍率はリーマンショックの翌年2009年に大きく落ち込んだものの、その後2010年からは上昇を続け、厚生労働省の発表によると2016年の平均有効求人倍率は1.39倍、2017年11月には1.56倍になりました。

これはバブル期で最も高かった90年7月の1.46倍を上回っています。

1.56倍の有効求人倍率とは、3件の求人募集に対して求職者が2名しかいないという状態です。

総務省の労働力調査によると、2017年には完全失業率も23年ぶりに2%台となり、求職者にとっては雇用状況の好転ともいえるでしょう。

人手不足の原因は「離職」と「労働人口減少」

現在、中小企業を中心に多くの企業が人手不足の状態に頭を抱えています。

特に運輸省、小売業、飲食サービス業などでの深刻な人手不足については、テレビや新聞などで目にした方も多いのではないでしょうか。

この様な人手不足の問題はどのような理由から起こるのでしょうか。

■雇用の流動性の変化

日本の雇用の特徴でもあった終身雇用制度が崩れ、非正規雇用など様々な雇用形態が出てきたことによって、雇用の流動性が高くなってきています。

もはや一つの会社で一生働き続けるという時代ではないのです。

職場への不満がある場合、より良い環境・待遇を求めて転職を繰り返す人も珍しくはありません。

■少子化による生産年齢人口の減少

日本が抱える課題の一つに「少子高齢化」があります。

少子高齢化は企業の人手不足問題にも大きな影響を与えています。

日本は1997年を境に生産年齢人口である15~65歳が減少を続けています。

単純に働く世代の人口が少なくなっているのです。

1997年には約8,699万人いた日本の生産労働人口は2016年には約7,665万人と約1,034万人も減少しています。

(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定 参考資料より)

これは、他の先進国と比べても減少傾向が顕著と言えます。

出生率の低迷も続き、今後さらに労働力が減少していくのは明らかです。

人手不足が企業に与える影響

人手不足が企業に与える影響としては次のような問題点が挙げられます。

■一人当たりの仕事量が増える

人手不足や離職者の増加は、従業員一人当たりの仕事量が増えるため、過重労働が続き、従業員の肉体的・精神的な負担になってしまいます。

そのため、雇用条件の良い職場への転職する従業員も増え、さらなる人手不足・離職者の増加といった負のスパイラルに陥ってしまいます。

■企業の存続にも影響

人手不足や離職者の増加による弊害は、単に従業員の負担が増えるだけにはとどまりません。

過酷な労働環境は従業員のモチベーションの低下に繋がり、サービスなどの質の低下にも繋がります。

そうなると、結果的に売り上げの低下、業績の悪化を招くこととなり、最悪の場合は企業の存続さえも脅かす状況になってしまうのです。

今後の見通しと対策

少子化により労働人口そのものが減少を続けることは明らかです。

企業の人材不足を解決するには、現在雇用している社員の離職率を下げ、なおかつ積極的に新規採用も行っていく必要があります。

景気回復が進めば有効求人倍率が更に高騰し、優秀な人材を巡ってライバル企業が増えることにもなるでしょう。

社員の離職を防いで定着率を上げる、新規採用率を上げるためには下記のポイントなどを新たに検討してみてはいかがでしょうか。

■待遇や環境、給与などを見直す

政府は「一億総活躍社会」を目指し、働き方改革の実現に力を入れています。

長時間労働の削減、同一労働同一賃金の実現、非正規雇用の正社員化など、待遇や就業環境を見直すことによって、従業員の定着率アップを図ることができます。

■多様なワークスタイルを取り入れる

ライフスタイルや価値観が多様化する現在、就業場所や時間、雇用形態にとらわれない働き方を望む人も増えてきました。

育児や介護と仕事の両立も課題の一つです。

フレックス制や在宅ワークなど、多様なワークスタイルを取り入れフレキシブルな働き方ができれば、育児や介護による離職を防ぐことができ、主婦や高齢者など多様な人材の有効活用にもつながります。

■福利厚生の充実

様々な就職コンサルティング会社が「企業選びで福利厚生を重視するか?」というような調査を実施していますが、どの調査結果でも約7割?8割の回答者が「重視する」といった結果が出ています。

福利厚生を手厚くすることは従業員のモチベーションのアップにも繋がるため、人手不足対策だけではなく離職対策にも有効です。

まとめ

景気回復に伴い、有効求人倍率はバブル期以来の高水準と言われています。

企業の事業も好調な反面、人材不足に悩む企業も多くなっています。

社員の離職や少子化による労働人口減少により、企業での優秀な人材の確保は重要な課題の一つです。

政府も「働き方改革」を推進するなど、労働環境の改善やワークスタイルの多様化に注目が集まっています。

人材不足を解決するために、今後は現在の労働環境や待遇の見直し、フレキシブルなワークスタイルを取り入れていくことも検討する必要があると言えるでしょう。

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