「福利厚生」と一言で言っても、住宅手当、健康診断や保養所など様々なものがあります。
会社によっては独自に導入しているオリジナルの福利厚生などもあるため、福利厚生は私たちが思う以上に多岐にわたるものであることが想像できます。
このように種類が多い福利厚生ですが、大きく7種類に分類されてます。
今回は、福利厚生の7種類の分類についてご説明します。
福利厚生は大きく7種類に分類される
福利厚生には「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類がありますが、今回ご説明するのは企業が独自に設ける「法定外福利厚生」についての分類です。
法定外福利厚生の種類について調べると、分類の仕方は様々ありますが、厚生労働省では次の7種類+その他と分類されています。
●住宅 ●健康・医療 ●慶弔・災害 ●育児・介護
●自己啓発 ●レクリエーション ●財産形成 ●その他
(参照:厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/07/3c.html )
この7種類の福利厚生がどのようなものなのか、1つずつ見ていきましょう。
1.住宅関連
一般的な住宅関連の福利厚生は次のようなものです。
●住宅手当 ●家賃補助 ●社員寮 ●持ち家援助 ●借り上げ社宅など
住宅関連の福利厚生は、法定外福利費の半分を占める費用とされている、代表的な福利厚生の1つです。
昔は社員寮などを用意するのが主流でしたが、現在は「住むところはできるだけ自分の希望するところが良い」など社員のニーズに応える家賃補助や、会社が部屋を借り上げて社員を住まわせる借り上げ社宅が主流となっているようです。
2.健康・医療関連
一般的な健康関連の福利厚生は次のようなものです。
●健康診断 ●健康相談 ●人間ドック ●メンタルヘルスケアなど
健康に問題を抱えると社員は働くことが困難になりますし、会社としても労働力の低下になるため生産性に大きな影響が出ます。
そのため、大半の会社で導入されているのが健康関連の福利厚生です。
現代社会では、労働環境による様々なストレスを抱える人も少なくないため、メンタルヘルスケア(専属カウンセラーの設置やこころの相談窓口など)に力を入れている会社が多いようです。
3.育児・介護関連
一般的な育児・介護関連の福利厚生は次のようなものです。
●法定外の育児・介護休暇 ●託児施設の設置 ●男性社員向けの育児支援など
少子高齢化が進む中、需要が高まっているのが育児・介護関連の福利厚生です。
法律で定められている日数にさらに休暇日数を上乗せした育児・介護休暇や、男性社員向けの育児支援を取り入れる企業が急速に増えていると言われています。
また、女性の社会進出が当たり前となった現在では、会社が社内に託児施設を設置したり、子供の風邪などの際に休暇を取ることができる看護休暇を導入するなど、家庭と仕事の両立を可能にするため手厚い支援制度が重要視されています。
4. 慶弔・災害関連
一般的な慶弔・災害関連の福利厚生は次のようなものです。
●慶弔・災害見舞金 ●遺族年金 ●遺児年金 ●遺児育英年金など
従業員にお祝い事や万が一の事があったとき、従業員やその家族をサポートするのが慶弔・災害関連の福利厚生です。
厚生労働省の調べによると、90%以上の企業が導入しているとの結果が出ています。
(参照:厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/07/3c.html )
ニーズの変化が見られる福利厚生ですが、慶弔・災害関連については現金給付のため保険的な見方も強く、過去も現在も変わらずに需要が高い福利厚生のようです。
5.レクリエーション関連
一般的なレクリエーション関連の福利厚生は次ようなものです。
●保養所や運動施設等の割引利用 ●文化・体育活動等の支援 ●社員旅行など
レクリエーション関連の福利厚生は、社員全員で参加し日々の労働をねぎらい合うことが目的の忘年会や新年会の費用負担や、社員旅行の実施などが有名です。
しかし、最近では休憩時間に利用できる個室のマッサージルームの設置や、参加が自由なサークル活動などの費用負担など、社員全員ではなく個人のニーズに応える内容の福利厚生の導入が増えているようです。
6.自己啓発関連
一般的な自己啓発関連の福利厚生は次のようなものです。
●資格検定取得支援 ●各種セミナーの開催 ●通信教育等の学習支援など
働く上でのスキルアップや社員の成長を支援をするのが、自己啓発関連の福利厚生です。
基本的には、自社の業務に関する資格取得などの支援を目的とした制度ですが、最近は、視野を広げたり柔軟な考えた方を身につけたりすることを目的として、業務とはあまり関わりがない分野の資格取得やセミナーなどの参加も積極的に支援する企業が増えています。
また、「リフレッシュ休暇」を自己啓発のための休暇として取り扱い、導入する企業も増えているようです。
7.財産形成関連
一般的な財産形成関連の福利厚生は次のようなものです。
●財形貯蓄制度 ●従業員持株制度 ●社内預金 ●個人年金等への補助など
財産形成関連の福利厚生は、名前の通り社員の財産形成を助けるものですが、特に有名なのが財形貯蓄制度です。
財形貯蓄制度は、会社が給料から一定額を天引きし、年金や住宅の購入などの目的に応じた貯蓄をしてくれる制度です。
個人で積み立てるよりも計画的に資産の積立が出来ることから、社員からのニーズも多く特に重要視されている福利厚生と言われています。
その他の福利厚生
法定外福利厚生には次のようなものも含まれます。
●社員食堂 ●特別手当 ●企業独自の福利厚生など
上記で紹介した7つの分類に当てはまらない、企業の特色を生かしたオリジナルの福利厚生などです。
近年は、給料と共に福利厚生を重視する人が増えていると言われています。
そのため、企業側は一般的だとされているような福利厚生はもちろん、企業独自の魅力的な福利厚生を導入することで他社との差別化を図り、企業アピールに繋げる必要があるのです。
まとめ
福利厚生の7種類の分類をご紹介しましたが、かなりの種類があることがおわかりいただけたと思います。
会社で福利厚生を導入される際には、数ある福利厚生の中から社員と会社のお互いにメリットがあり、生産性の向上に繋がるものを選択しなければいけません。
福利厚生のニーズは、時代の流れや社会の状況に左右されるものです。
そのため、現在導入している福利厚生だけではなく、これからニーズが出てくるであろう福利厚生にも目を向けておくと良いかもしれませんね。