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  • 2021.10.18
  • 経営お役立ち

女性活躍推進法の改正内容とは?取り組み方や実例も交えて詳しく解説!

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また、当コラム内容は、横浜市および事業受託者株式会社ベネフィット・ワンの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。

女性が活躍しやすい社会の実現を目指して、2016年に施行された法律「女性活躍推進法」。

施行から3年目となる2019年5月29日に、さらなる拡充を求めて改正されたことをご存知でしょうか?

働きたいという思いを持ちながらも、ライフステージの変化に直面して退職せざるを得ない女性たちの活躍を推進するためには、詳しく知っておく必要があります。

今回は女性活躍推進法の改正内容について、わかりやすくお話していきます。

制定された背景や、取り組み方などについてもご紹介します。

女性活躍推進法とは?その内容や背景から解説

2016年に施行された女性活躍推進法の正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。

女性が働きやすい環境づくりを進めるため、ライフステージの変化などに直面しても安心して活躍できる環境づくりを推進する法律です。

女性の採用や昇進を平等に行わなければならないなど、国、地方公共団体、民間企業などの責務を明らかにしています。

具体的には、会社における「自社の女性の活躍に関する状況の把握、課題分析」「一般事業主行動計画の策定、社内周知、外部公表」「一般事業主行動計画を策定した旨の届出」「取組の実施、効果の測定」が求められます。

女性活躍推進法が制定された背景や期待される効果

女性活躍推進法が制定された背景の一つとして挙げられるのは、将来的な日本の労働力不足という問題です。

労働の主力である15歳~64歳までの生産年齢人口は、2020年5月に過去最低を記録し、今後もさらなる減少が予想されます。

労働力不足及び少子高齢化といった問題を解決するためには、女性の労働参加が必須であり、その解決策として制定されたのが女性活躍推進法です。

働きたいと考えている女性が増加している反面、出産や育児、介護、看護などライフステージの変化や家庭での負荷により、やむなく離職する女性も多くいます。

また、育児休暇から復職しても、仕事と家庭を両立するために労働時間が少ない非正規雇用者として働かざるを得ないなど、女性の採用や昇進などの活躍する場を奪っているのが実情です。

女性活躍推進法では各企業の体制を見直し、職業生活において活躍を推進できるよう、次のように基本原則を明言しています。

<女性活躍推進法の基本原則>

  • 女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供及びその活用と、性別による固定的役割分担等を反映した職場慣行が及ぼす影響への配慮が行われること
  • 職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な環境の整備により、職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立を可能にすること
  • 女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されるべきこと

※厚生労働省「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の概要」より

この法律により、女性の個性と能力を十分に発揮できる環境づくりを進め、世界的に見ても低い女性の管理職の割合を上昇させるなど、豊かで活力のある社会の実現が期待できます。

女性活躍推進法の改正内容をわかりやすく!

女性活躍推進法は、女性がさらに仕事と家庭を両立できる制度づくりを目指して2019年5月に改正されました。

この法改正では、次の3点が変更されています。

①義務対象となる労働者が301人以上から101人以上の事業主に拡大

「一般事業主行動計画の策定・届出義務及び自社の女性活躍に関する情報公表」の義務対象が、常時雇用する労働者が301人以上の事業主から、101人以上の事業主へと拡大します。

(2022年4月1日施行)

②自社の女性活躍に関する情報公表の強化

常時雇用する労働者が301人以上の事業主の情報公表について、情報公表項目を1つ以上から2つ以上に改正しました。

したがって、「職業生活に関する機会の提供に関する実績」と「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」の区分からそれぞれ1項目以上(計2つ以上)の情報を公表しなくてはいけません。

(2020年6月1日施行)

③認定マーク「プラチナえるぼし」を創設

一般事業主行動計画が優良と判断された企業が受けることができる「えるぼし認定」よりも水準の高い、「プラチナえるぼし認定」が新設されました。

(2020年6月1日施行)

女性活躍推進法の「えるぼし認定」とは?

一般事業主行動計画の策定・届出を行なった企業のうち、管理職における女性比率の上昇など、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良である等の一定の要件を満たした場合に、厚生労働大臣より認定を受けることができます。

これが「えるぼし認定」です。

えるぼし認定は認定レベルがあり、「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5つの項目の取り組み状況によって、多いほどレベルが上がります。

※「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の評価基準値及び各認定マークのデザインについては、厚生労働省の「えるぼし認定について」をご確認ください。

1段階目

「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」のうち1つ又は2つの基準を満たし、その実績を厚生労働省のウェブサイトに毎年公表していること

2段階目

「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」のうち3つ又は4つの基準を満たし、その実績を厚生労働省のウェブサイトに毎年公表していること

3段階目

「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の基準の全てを満たし、その実績を厚生労働省のウェブサイトに毎年公表していること

加えて1~2段階目については、以下も条件となります。

  • 満たさない基準については、事業主行動計画策定指針に定められた当該基準に関連する取組を実施し、その取組の実施状況について厚生労働省のウェブサイトに公表するとともに、2年以上連続してその実績が改善していること

また1~3段階目全てで、以下が条件となります。

次の基準を全て満たすこと

  • 事業主行動計画策定指針に照らして、適切な一般事業主行動計画を定めたこと
  • 定めた一般事業主行動計画について、適切に公表および労働者の周知をしたこと
  • 法及び法に基づく命令、その他関係法令に違反する重大な事実がないこと

さらに、2019年5月の女性活躍推進法の改正によって「えるぼし認定」よりも高い水準の「プラチナえるぼし認定」が創設されました。

すでに「えるぼし認定」された企業の中で、一般事業主行動計画の目標が達成できていたり、取り組みの実施状況が優良であるなど要件を満たしていたりすることで、プラチナえるぼし認定されます。

プラチナえるぼし認定企業は、義務である一般事業主行動計画の策定・届出が免除されますが、代わりに「女性の活躍推進企業データベース」を毎年公表する必要があります。

「くるみん認定」とは

認定マークには「えるぼし認定」のほかに、「くるみん認定」というものがあります。

えるぼし認定は、女性の活躍を一定の要件を満たして推進していると認められる企業に与えられるのに対し、くるみん認定は一般事業主行動計画を策定した企業が、子育てサポートを一定の要件を満たしている推進していると認められる企業に与えられます。

なお、くるみん認定はえるぼし認定同様、より高い水準を設ける「プラチナくるみん認定」もあります。

認定のメリット

えるぼし認定やくるみん認定の取得には、さまざまなメリットがあります。

先ほどお話ししたように、「プラチナえるぼし」に認定されると一般事業主行動計画の策定・届出義務が免除されます。

また、認定されると加点を受けられるため、加点評価される公共調達の入札では非常に有利になります。

さらに、付与された認定マークは自社の広告や商品につけることができるため、一般消費者にも女性の活躍や子育てを推進している企業であるとPRできます。

女性活躍推進法の現状や取り組み方、実例もチェック

各企業では女性活躍推進法に基づき、さまざまな取り組みを行っています。

しかし、まだまだ女性が働きやすい環境は整いきれていないというのが現状です。

平成30年11月 内閣府男女共同参画局「「第1子出産前後の女性の継続就業率」及び出産・育児と女性の就業状況について」によると、第1子出産後の就業状況では出産退職の割合は46.9%と非常に高く、仕事と家庭の両立が困難な女性が多いということがわかります。

また、政府は2003年の時点で2020年までに女性管理職の割合を少なくとも30%程度になることを目標としていましたが、2017年時点で10.9%と、目標とは大きく開きがあります。

では、女性がより活躍できる環境を作り上げるためには、どのようなに取り組めば良いのでしょうか。

女性の活躍を阻む要因の1つが「女性への無意識の偏見」です。

日本では古くから、家事や育児など家庭を守るのは女性の役割という、無意識の偏見があります。

現在の日本では、昔に比べて女性の社会進出が当たり前になりましたが、「女性はこうあるべき」という男性目線の社会風土が根強く残っており、これが女性の成長機会や活躍する機会を阻んでいます。

ただ女性活躍推進法に取り組むだけではなく、女性の意見を積極的に取り入れる姿勢や、ライフステージの変化による柔軟な対応など、まずは土台を正すことが重要だと言えるでしょう。

企業の取り組み事例

女性活躍推進法の実例にはどんなものがあるか、実際の企業の取り組みをご紹介します。

  • 仕事と育児の両立が難しい社員へは、早番のみのフルタイム勤務形態新設などで就業時間の課題を解決
  • グループ内にさまざまな部署を配置することで、個人の能力を多方面に活かす働き方を実現することを可能にするなど、制度づくりだけではなく意識改革も推進
  • 女性活躍推進を実現するためには男性の積極的な育児への参加が必要と考え、男性社員の育児休暇を推奨
  • 小さい子どもとの時間を大切にしたいと考える社員に向けて、男女ともに子どもが満2歳になるまで利用ができる「育児休業制度」を導入。
  • 長く働き続けたいけれど育児や介護など一時的な理由で退職をした社員に対し、規定の条件を満たせば再雇用する「ウェルカムバック制度」など、全社員のキャリアイメージを尊重しながら寄り添える制度や研修を推進

一例ではありますが、ぜひ参考に自社での取り組みについて考えてみてくださいね!

女性活躍推進法の改正が女性の活躍をさらに推し進める!

女性が活躍しやすい社会の実現を目指して、2016年に施行された法律「女性活躍推進法」は、さらなる拡充を求めて2019年5月29日に改正されました。

「一般事業主行動計画の策定・届出」の義務対象の拡大や、女性活躍に関する情報公表の強化、「プラチナえるぼし認定」の新設など、より女性が活躍できる環境づくりを推進しています。

しかし、各企業では女性活躍推進法に基づき、さまざまな取り組みを行っているものの、まだまだ女性が働きやすい環境は整いきれていないというのが現状です。

女性が長く働ける環境を作り上げるためには、女性活躍推進法に取り組むだけではなく、女性の意見を積極的に取り入れる姿勢や、ライフステージの変化への柔軟な対応など、まずは基本の土台を正すことが重要だと言えるでしょう。

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